僕は君の涙／太田裕美(1998)
明けましておめでとうございます。
正月休みはボーッとしてばかりだったのに、
今日が新年初の記事になってしまいました。
新年一発目ということで、
今回はこの歌について語りたいと思います。
【概要】
1998年７月１日発売（アルバム）
NHKみんなのうた98年６～７月OA曲
オリコン：最高？位
「僕は君の涙」は、
「木綿のハンカチーフ」などで
お馴染みの太田裕美さんが1998年に発売した
アルバム「魂のピリオド」の収録曲です。
この曲、生まれて30ン年、
数々の曲を聴いてきたとらとらが、
これまで出会った中で最も好きな曲です。
たぶん、この曲を超える曲は、
死ぬまで現れないだろうと思ってます。
“神曲”なんて言葉は使いたくないのですが、
この曲は神が太田さんに乗り移って、
作らせたんじゃないかと思えるほどです。
まあ、98年発売の曲ですが、
初めて聴いたのはその十数年後、
みんなのうたの正月特番なんですけど(^_^;)
曲だけでもものすごいのですが、
この曲のアニメーションがまた良くて、
正月早々テレビの前で感涙（つд；*)
では、ぼちぼち、
曲について語りたいと思います。
この曲のテーマは、
“悲しみはいつか必ず乗り越えられて、
笑顔で振り返れる日がきっと来る”
ってことだと思っています。
タイトルの通り、
この曲の主人公の“僕”は涙のしずくで、
歌詞は終始“僕”の視点になっています。
疾走感のあるメロディとともに、
“僕”の旅の道程が描かれていきます。
みんなのうたのアニメーションでは、
制服姿の少女が土手に駆け上がり、
涙をこぼすところから旅が始まります。
♪涙が溢れて 大地にこぼれた
♪まぶしい真夏の日差しを浴びたら
♪水蒸気になり 青い空昇る
♪僕は君の瞳から落ちた涙
♪はるかな行方は 白い雲の上
♪悲しみ集めて 流す雨になろう
♪ひとつぶひとつぶきらめくしずくは
♪濡れることも暖かい 雨になろう
♪僕の旅は続く
♪僕はどこまで行くのだろう
♪ファーラファーラ
君の瞳からこぼれた涙は、
真夏の日差しで水蒸気となり、
悲しみを洗い流すような、
優しい雨になって旅を続けます。
♪降り注ぐ雨は大地を潤す
♪濁った川さえきれいに流して
♪花を咲かせよう この丘一面
♪僕は君の瞳から落ちた涙
“僕”は、
濁った川を透き通らせ、丘一面に花を咲かせ、
まだまだ旅を続けていきます。
そして、静かな朝。
♪思いはあふれて 大地に染み込む
♪小さな緑は朝露に濡れる
♪透き通った水を 木の根が吸い込む
♪僕は強くたおやかなブドウになる
大地に染み込んだ“僕”は、木に吸い上げられ、
ブドウの実になってしまいました。
このあとどうなるの？と思ったところから、
転調とともに盛り上がってラストへ。
ここからが実にすごい。
♪グラスを合わせて 微笑み浮かべる
♪僕を飲み干した美しいその女性（ひと）
♪元気になったんだね あのときの君
♪僕は君の瞳から落ちた涙
ワインになった“僕”を飲み干したのは、
聡明な大人の女性になった、
あのとき涙を流した“君”でした。
これまでの“僕”の旅がフラッシュバックする、
このシーンのアニメーションも
曲に素晴らしくマッチしています。
♪僕の旅は終わる
♪ワインになって君のもとへ
♪僕は君の胸で
♪空と大地を想うだろう
♪ファーラファーラ
長い長い“僕”の旅は、
“君”の胸の中に帰ってきて終わりました。
“僕”が旅の道程を思い起こすように、
“君”もきっと少女の頃に涙したことや、
他のたくさんの出来事を胸に秘めながら、
人生を歩んできたんだと思います。
とらとらが一番好きなのは最後のサビです。
「グラスを合わせて微笑み浮かべる」
ということは、
笑い合いながらグラスを合わせられる、
そんな存在の人がいるってことですよね。
（アニメーションだと、たぶん彼か夫かと）
”僕“の「元気になったんだね」という言葉は、
“あなたを包み込んでくれる大切な人に
出会えて良かったね！”
という思いが込められているように思います。
とまあ、熱く語ってみましたが、
この曲、
作詞作曲が太田裕美さん本人なんですよね。
どうも太田裕美さんというと、
「木綿のハンカチーフ」や、
「さらばシベリア鉄道」のイメージが強く、
シンガー・ソングライターって
感じがしないので、その点も衝撃でした。
とにかく、
この曲は死ぬ前に一度は聴いて欲しい曲です。
心が洗われます（笑）
できれば、
アニメーションとともに聴いていただけると、
さらに曲の良さが引き立ちますよ。
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