とらとらのあれこれそれ

自分の好きなことをメインに、感じたこと、おすすめしたいことなどを気が向くままに書いていきたいです。

アイデンティティ/サカナクション(2010)

三連休は山奥の温泉で過ごします。
途中でキツネさんに出逢いました。




くつろぎながらご紹介するのは、
サカナクションアイデンティティ」です。





【概要】
2010年8月4日発売
東進CM曲
オリコン:最高12位





アイデンティティ」は、
サカナクション3枚目のシングルでした。

ちなみに1つ前のシングルは、
サカナクションの代表作の1つ
アルクアラウンド」です。






さて、タイトルの“アイデンティティ”ですが、
専門用語では“自己同一性”というらしいです。



分かりやすく言うと、

“自分が他の誰でもない自分であること”

及び、

“それを自分(又は他人)が認識すること”

という感じですかね。







この曲の中では、そのことを

“自分らしさ”

という言葉で表しています。






♪好きな服は何ですか?
♪好きな本は?好きな食べ物は何?
♪そう そんな物差しを
♪持ち合わせてる僕は凡人だ

♪映し鏡 ショーウィンドー
♪隣の人と自分を見比べる
♪そう それが真っ当と思い込んで生きてた





国民性として、日本人は基本的に、
人より目立ったり、
人と違うことをするのが苦手です。


他人が何を好きかとか、
どんな服を着てるのかとか、
本来、自分がどう行動するかには
何も関係ないはずなのに、
それを気にすることがおかしいなんて
疑いなんて持たなかった。



何だかハッとさせられるフレーズですね。






しかし、



♪どうして 今になって今になって
♪そう 僕は考えたんだろう
♪どうして まだ見えない自分らしさに
♪朝は来るのか

アイデンティティがない
♪生まれない らららら





何がきっかけか、
彼は突然気づくのです。

“俺って周りばっか気にして“自分”がない”

と。




でも同時に、

“その“自分らしさ”がそもそも何か分からない”

ことにも気づいてしまい、
思い悩むことになるわけです。






彼は“自分らしさ”を探して、悩みます。

やがて、


♪取りこぼした十代の思い出とかを
♪掘り起こして気づいた
♪これが純粋な自分らしさと気づいた





直接的には書かれてませんが、


十代の頃って、
自分が何でもできる、何にでもなれる、
みたいな根拠のない自信や理想が
ありませんでしたか?


社会が、とか、家族が、とか、お金が、とか、
そんなことはとりあえず置いといて、
純粋に自分がやりたいこと、なりたいもの、
その理想の姿こそが“自分らしさ”だと、
彼は考えたのかなと思います。







ところが、

その“自分らしさ”は、
大人になり、様々なしがらみの中で生きる
今の自分には到底得られないものだと、
当然彼も悟るはずです。




それが表れているのが、
最後のフレーズだと思います。



♪どうしても 叫びたくて叫びたくて
♪僕は泣いているんだよ
♪どうしても 気づきたくて
♪僕は泣いているんだよ





自分の“自分らしさ”が何か知りたい。

でも、それを知ることはたぶん、
それが手に入らないと知ることでもある。


余程の有名人でもなければ、
ほとんどの人は社会の中では
無名で小さな存在ですからね。




知ることがてきないことと、
知って落胆すること、
その間で、彼は叫びたくなるほど悩み、
心の中で泣いているんだと思います。





今まではさらっと聴き流してましたが、
そんな感じで、実は結構重たいテーマの
曲なのかなと思いました。








サカナクションと言えば、
PVも凝ったものが多いですが、

この曲のPVも、
最後のフレーズのところで、
画面が徐々にズームバックし始めます。


すると、メンバーが映っていたのは
パチンコ台の真ん中のモニターで
あることが分かります。

さらにズームバックしていくと、
このパチンコ台は顔の形をしていて、
ちょうど両目の辺りからは、
まるで泣いているかのように、
玉が出続けているのです。




アイデンティティとパチンコに
どんな関係があるのかは分かりませんが、
何か意図を感じる演出ですよね。





また、この頃のキーボードの岡崎さんの
個性が爆発的なところにも注目です。




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